森のタイニーハウス006

前回から、かなり進みました。

薄目でだと出来上がってるように見えるかな?
実際はもう少し時間がかかりそうですが・・

簡単に説明を・・

まだ世界中に電動工具などがなかったころの、
昔ながらの製材方法で手道具を主に使って小さなログハウスをつくっています。
材料は朽木(滋賀県産)の杉、ひのきの丸太をメインに使い、
一本ずつ斧ではつり、製材しているので斧の跡が残っているのが特徴的です。

斧の跡。ちなみにこのタイニーでは古いログハウスの風合いにしたいので、約1年間、雨ざらしにしています。シルバーグレイの良い雰囲気になっています。興味の無い方にはどうでも良い話しですね。

その丸太をダブテイルノッチという伝統的な仕口で交差部を組み上げています。
ダブテイルのダブは鳩、テイルは尾っぽ、ノッチの形状が鳩の尾っぽに似ていることから、そのように名付けられています。

一度組み上げ、ボルトで締めるともう壁が崩れることはありません。とても強い工法です。
ログとログの隙間にはチンク材という充填材を詰め込み気密性を高めます。
北米の古いログハウスではその地域で簡単に調達できるもの(土、泥、藁、家畜の糞など・・)が使われていて、その違いを見るのも楽しいです。このタイニーログにも滋賀県で手に入る素材を使ったチンク材を使いたいと思っています。
下の画像はフォトショップで試しにイメージしてみたものです。

そして、写真で見ると大きく見えるようですが、
実際に見ると想像したよりも半分くらいに感じるようなサイズ感に設計しています。

屋根は4つのトラスで支える構造にしています。
このデザイン、ずっとしてみたかったんです。そしてこちらもハンドヒューイングしています。

そして、
オーナーのSOUPFURNITURE 雄倉さんのたっての希望で屋根形状を少し反らしました。
(照らす、てらすとも言うそうです)

見た目の美しさ、構造的に無理が無いこと、そしてシンプルなつくりなど、全てのバランスが、このようなタイニーハウスには必要です。それらをクリアするようにデザインを考えるのは難しいですが、それが形になり思いどおりになるのはとても楽しいことです。

この角度から見ると照ってる(てってる)のがわかりますね。

実はこのタイニーハウスではいろいろな実験をしています。
屋根材を杉の板を使ってやっています。普段は北米のシダーシェイクという専用の屋根材を使いますが、普通の杉材を使うと何年もつか?実験したいと思います。ちなみに、仮に杉が腐って駄目になっても雨漏りなどの心配は無いように対策済みです。友人の屋根葺き職人に大事な下地部分は手伝ってもらいました。(ありがとう辻さん!)

※なので、間違っても良い子の皆さんは杉板を屋根に使うようなことはしない方が良いです。
プロだからこそ出来ることだと思ってください。わからないままに使うとせっかくの小屋が駄目になってしまいますよ。

オーナーの雄倉さん。
反対側の屋根はオーナー自ら張っておられます。
黙って見ていられないようです。(^^)

このような感じで、少しずつ進んでおります。