ログハウスに使う塗料

最終更新日

最近、ログハウスに使用する塗料にこだわる方が増えてきました。興味深いのは人それぞれにこだわられる角度が違うところで、ある方は耐久性や防虫等の木材保護を主に求め、健康志向の方は有害な物質を含まない自然塗料を使いたい。又は色調だけにこだわる方もいらっしゃいます。

なので、塗料メーカーさんが耐久、耐候、防虫、防カビ等の木材防護性能に優れ、有害な物質を全く含まない健康的で、好きな色を調合でき、なおかつ価格的にも優れた塗料を開発して下されば何の問題もないのですが、残念ながら今のところ全てをクリアできるような塗料は無いように思います。

以下は、私自身が今までの試用してきた塗料を下記に紹介しておきますので、参考にしてください。



オスモカラー

自然塗料の代表的なメーカー
オスモカラーは防腐・防虫剤を一切含まず、人体・動植物にも安全な塗料です。赤ちゃんが口に入れても大丈夫なように木のオモチャにもよく塗装され、健康や自然に気遣った木工家の間でとても人気があります。

私の現場(アトリエ・山林舎)では主に内装の塗料として使用しているメーカーです。他もいろいろ試した時期もありましたが、結局は創業以来15年間使用し続けているのはこれです。 他の自然塗料との違いは効果です。防汚性やカビが生えにくかったりと、塗料を塗る目的がはっきりとわかります。逆に効果が感じられない自然塗料メーカーもありましたが、オスモカラーは信頼できます。おすすめです 。

以下はオスモカラーのおすすめ塗料です。


エキストラクリアー

エキストラクリアを塗ったヘム材のバイフォールドドア
エキストラクリアー
フィンランドのパイン材にエキストラクリアーを塗った質感

内部の木部全般(床以外)で使用できる塗料です。

仕上がり・・・
木本来が持つ美しさを保つクリアカラーです。カサカサの木も潤いのある仕上がりになります。
 
効果・・・
内装木部の手垢止め、汚れ防止の役割を果たします。
アトリエ・山林舎では、ログ壁のよく触る部分やドアなど手垢がついてほしくないところに使っています。広い面積を塗るのに適していると思います。

DIYなどご自分で塗られる方も失敗が少ない塗料だと思います。 粘度が低いので、ものすごく塗りやすく、且つとても良く延びます。 また、フロアクリアーやウッドワックス等、粘度の高い塗料をすこし柔らかくするのにも利用できます。そうすると、かなり塗りやすくなります。


フロアークリアー

フロアクリアー(3分つや)を塗ったフィンランドパインのフローリング。
フロアークリアー
フィンランドパインにフロアークリアーを塗った質感

フロアークリアーは名前のとおり、フローリングで使用するための塗料です。オスモカラーのクリア塗料の中で、一番耐久性に優れていますので、カウンターの天板に使うのも良いです。
 
仕上がり・・・
木本来が持つ美しさを保つクリアカラーです。エキストラクリアーと同様にカサカサの木も潤いのある仕上がり。つや消しと3分つやがあります。
 
効果・・・
撥水性、耐磨耗に優れています。
そしてシミなどに強いです。水はもちろん、醤油、ワイン、コーヒーなどをこぼしても、簡単にシミにはなりません。

なので、アトリエ・山林舎ではフローリングとカウンターなど、耐久性の求められる木部にはこの塗料を塗っています。色を付けたい場合は、ウッドワックスを混ぜて使ったり、先に着色してからフロアクリアーを塗装します。


ウッドワックス

キッチンの木製キャビネットに塗装されたウッドワックス。色はウォルナット。落ち着いたいい色ですね。
ウッドワックス
フィンランドパインにウッドワックスを塗った質感

ログハウスの内装ではドア、家具、木製キッチンなどの着色したい部分に使用します。逆に着色が不要なら、あまり使う塗料ではありません。

仕上がり・・・
木目を活かした着色ができます。程よいツヤがあって、落ち着いた雰囲気づくりができます。ログハウスの場合、木の仕上げが多いので、部分的に色をつけることで、全体に変化のある空間づくりができます。
 
効果・・・
自然塗料の中でも、ウッドワックスは撥水効果がありますので、水等を使用する場所でも問題なく使用する事が可能です。


キシラデコール

キシラデコールでメンテナンスしたログ。壁と窓はオリーブ、窓の額縁はタンネングリーンです。
キシラデコール

ログハウスでは外部で使う塗料。外壁全般とウッドデッキになどに塗装します。アトリエ・山林舎では最も使用する外壁用塗料です。

仕上がり・・・
木目を活かした素朴な仕上がりが美しいです。カスタニ、オリーブ、ウォルナットなどの発色が良いです。タンネングリーンも良い色ですね。

効果・・・
防腐、防カビ、防虫効果をしっかりと役割を発揮している感じがします。

施工していてニオイが少し気になります。塗って数日間でニオイは消えますが、もう少しなんとかしてほしいところですね。その分、効果があるのだとは思いますが・・・。雨や紫外線が心配な外壁だけはこれを使い、内部は自然塗料にする方も結構おられます。個人的にはそれがおすすめです。





私の考え…塗装の目的は『保護と美化』です。
保護とは防腐・防虫・防汚等のことをいい、ログを守るために外壁には必ず塗装が必要です。そして室内では腐りの心配はほぼありませんが、小さなお子さんのおられるお宅や汚れやすい床等は健康的で素人でもメンテナンスし易い健康的な自然塗料を塗布しています。
この保護と美化をする必要の無いところには私達は極力何も塗らないようにしています。
 
※注意!!
無塗装の木の仕上げは長い年月メンテナンスをしない方にはお薦めいたしません。
無塗装の木は永い間放っておくと油分が抜け、カサカサになってきます。定期的にオイル等でメンテナンスしてあげましょう。